2011/08/25

台湾

最近、中国の富豪(男)と結婚する台湾人の芸能人(女)がかなり多い気がする。

歌手、女優として活躍していた劉若英は、8月、中国の金融界で成功している鍾小江と結婚した。
今年3月には、「大S」「小S」の芸名で知られる台湾の人気スター姉妹のうち、姉である「大S」こと徐熙媛も、中国の富豪の息子である汪小菲に嫁いだ。
このほか、香港フェニックステレビでキャスターとして活躍していた孟廣美も、年内に北京の不動産業の大物である吉增和と結婚式を挙げると言われている。

台湾人の知人に「いったい台湾の美女はどうしちゃったんだい」と聞くと、「唉、時代改變了、沒辦法」というひと言が帰ってきた。
「ああ、時代が変わったんだ、しょうがないさ」という意味である。

もともと中台関係において、中国の女性が台湾の男性に嫁ぐ割合が圧倒的に高かった。その比率は2000年ごろまでで、95%という高率だったとされる。
それは中台間の経済水準を反映したものだった。

台湾の男性は、中国で「二奶」と呼ばれる二号さんをこぞって囲っていた。台湾で農村地帯の男性に業者の仲介するお見合いで事実上買われてくる「大陸新娘」も数万人規模に達していた。

しかし、最近では、中国と台湾との物価差は、都市間ではかなり縮小し、贅沢品などは台湾よりも中国の方が高い。
2008年から台湾に来はじめた中国人観光客が、
「台湾のものはなんでも安いね~」とわざと大声でいいながら買い物している姿も目撃した。

美女の女優やモデルが、大金持ちや政治家の息子と結婚するケースは、中国、台湾ともかなり多い。
この組み合わせ、日本では、あるようであまりない。日本ではやはりお家柄を気にする風潮があるのだろうか。

中国や台湾では、お金持ちは美女を娶ることでステータスを社会に知らしめる、という意識が強烈にある。一方、女性たちの方も、美女と生まれたからには「美男」よりも「有銭人」とくっつきたい、という考えがはっきりしている。

そのため、本当に外見的にはまったく冴えないお金持ちのバカ息子が、大美人の女優と結婚する、というケースがしばしば見られる(例えば台湾の連戦の息子の連勝文のケース)。

その意味でも、台湾の美女たちがことごとく中国の富豪や富豪の二代目になびいているのも、まさに知人の言うごとく、時代の趨勢を雄弁に物語る現象なのかも知れない。

*会員制国際情報サイト「フォーサイト」の野嶋のコラム「中国の部屋」より転載

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