イラクに駐留していた米軍の最後の部隊がクウェートに戻り、
イラク戦争が終結した、というニュースが流れたことに、
今日の午後、京都から東京に向かう新幹線のぞみ号の電光掲示板で気がついた。

「8年9ヶ月」という戦争が終わった、という部分に思わずハッとした。
もう、そんなに経ったんだ、という驚きだ。

イラク戦争が始まった2003年3月20日の未明、イラク・クウェート国境に展開する米軍海兵隊のトラックで、従軍記者として軍のトラックの荷台に米軍の歩兵と一緒にいた。
空爆で破壊された油田の炎が遠くに見えて、
これから自分はどんな世界に連れていかれるのか、好奇心と恐怖が半分ずつ、心のなかに満ちていた。

当時は33歳。国際記者になりたてで、いきなり戦争に放り込まれて、
運良くイラク戦争を取材するチャンスに恵まれ、戦争が終わったら本も書いた。
取材して記事を書くこと以外は、まだあまり仕事のことも分かっていなかったが、
無我夢中でやるだけのことはやったつもりだった。
それでも、8年9ヶ月が過ぎた今から考えてみれば、
もっとあれもできたのではないか、これもできたのではないか、
そんな思いが心の中にあふれてきた。

記者にとって戦争を取材するとはどういう意味を持つのか。
多くの戦場記者が考えてきたこだと思うが、
イラク戦争から10年、つまり2014年3月に、
自分なりにあれから頭のなかで温めてきた視点で、
「戦争と記者」というテーマで本を書きたいと思っている。

© 2021 Nojima Tsuyoshi