2012/02/12

台湾

ここ5年の間にみた台湾映画のなかで、私の好きな映画ベスト3に入る映画を紹介します。
2009年の台湾での国産映画興行成績トップの「聴説」です。

$私は書きたい

ストーリーはシンプルです。タイトルにあるように「聴く」「話す」がテーマ。
主役の彭于晏と陳意涵という人気俳優二人が、お互いを「話せない」と勘違いしながら、
近づいたり、離れたりしながら、関係を深めているというお話です。
全編、手話による会話が続くところが、映画に逆に引き込まれていきます。
彭于晏は、弁当屋の跡継ぎで、弁当を届けた際に陳意涵と知り合う。
陳意涵には、本当に耳が聞こえない妹がいて、この妹は水泳選手でデフリンピックの参加を目指しています。この妹を演じたのは、「那些年、我們一起追的女孩」で主役を演じて、
「爆紅」(人気爆発)した陳研希。演技力は、この作品からすでに光ものがありました。

監督は台湾の新進女性監督、鄭芬芬。私(43歳)より2つしたの同世代で、インタビューしたこともあります。
ちょっとロングの髪で、透明感のある綺麗な人でした。
作品にも、監督の人柄、印象がそのまま反映されているような感じがします。
過去の作品、例えば「沉睡的青春」(2007年)などもそうでしたが、
今回の「聴説」も、淡々とした日常のなかに、ハッとする瞬間やさわやかな笑いを切り取る技を発揮しています。

例えば、陳意涵が街頭芸人の仕事をがんばるところ。
彭于晏が、けんかした陳意涵の気持ちを引き戻そうとクリスマスツリーに化けるところ。
陳意涵と陳研希がお互いを思いやるが故に本気でけんかしてしまうところ。
弁当店を経営する彭于晏の両親が、息子を陳意涵に売り込むところ。

どうということはない、撮り方よっては陳腐になるシーンが、
この監督の手にかかると、魔法のようにジーンときたり、笑ったりできる場面になります。

楽しい映画です。終わった後に、「見てよかった~」と心底思える映画。

© 2021 Nojima Tsuyoshi