蔣介石の日本の足跡についていろいろ調べている。

そのなかで、神戸の有馬温泉に立ち寄ったところがなかなか面白い。

財閥の宋家三姉妹の宋美齢と結婚したかった蔣介石。本人はなんとか口説きおとしたが、
宋美齢の母親のほうがなかなかウンと言わなくて困っていた。
母親は足を悪くして日本の温泉療養にきていて、有馬温泉の有馬ホテルに滞在していた。
そこに蔣介石はかけつけ、結婚のOKを取り付けたのだ。
そのとき、念願かなって結婚を認められて上機嫌の蔣介石は、自筆の5枚の書を有馬ホテルの経営者である増田家に残した。「千客万来」「横掃千軍」「平等」「平和」「革命」である。
そのうち、「横掃千軍」「平等」以外の三つはどこに行ったか分からなくなった。
「横掃千軍」は増田家でずっと保管し、後に台湾の中正紀年堂に寄贈して、展示されているという。
これは、増田家の子孫で、現在、有馬で会社経営をしている増田晏之さんから電話で聞いたことだ。
ちなにみ、有馬ホテルは昭和13年の水害で流されてしまって今はもうない。
一方、「平等」の書については、同じ有馬の極楽寺にあった。これも極楽寺に電話して確認ができた。普段は展示していないが、事前に約束して訪れると、見せてくれるという。

中国の民国期の人々と日本の関わりは深い。調べれば調べるほどいろいろ出てくる。
蔣介石についても、まだまだたくさん「秘話」がありそう。
いま蔣介石と日本との関係について、本を出したいと思って執筆を進めているのだが、
調べていると次から次へと面白いエピソードが出てきて、困りものだ。

© 2021 Nojima Tsuyoshi