2012/12/26

食とエンタメ

$私は書きたい

「鯛めし」というと、ずっと、鯛の炊き込みご飯だとばかり思い込んできた。
また、九州や四国で食べている「鯛めし」はしょうゆに漬けた鯛の切り身をご飯にのせてお茶やだし汁をかけて食べるものを指す。
そうした価値観がくつがえされるのが、新幹線の静岡駅で買った東海軒の「鯛めし」だ。
鯛がはねている豪快な弁当のカバーをはずすと、
しょうゆで薄く味をつけて炊いたご飯のうえ一面に鯛のそぼろが敷き詰められている。
そぼろは甘い。ご飯のしょっぱさと不思議にかみあう。100年を超えるロングヒットになっているのも頷ける。
この鯛は甘鯛をつかっているらしい。東海軒のHPには、こんな風に書いてあった。

明治25年、東海軒のご主人が病気をわずらい、なじみの魚屋さんがの見舞いにと甘鯛を置いていった。ょうど甘鯛の漁期であったことからそれは毎日のように甘鯛をもらったが、甘鯛は煮ると身がボロっとくずれてしまい、折り詰めや商売には使えないため、もっぱら家族の食事に食べていた。

ご飯の上にこのボロボロと崩れた身をかけると思いのほか美味しく、「鯛のご飯」と言ってお客さんにも振る舞っているうちにとても喜ばれたので、鯛めし弁当として売り出したのだという。

東海道のさまざまな弁当でも最古級の鯛めし。さすがの味わいだった。

© 2021 Nojima Tsuyoshi