2013/05/18

その他


痛みというのは、料理の味などと同じで、基本的に自分にしか分からない主観的なものだ。
客観的に痛そうだなというのは分かっても、「痛さのレベル」には他人の知覚は届かない。
だから、いくら痛い痛いと叫んでも、同情はしてもらえても、本当はどうなのかは分かってはもらえない。人間とはやはり孤独なんだなと改めて思う。

なんでこんなことを書いているかというと、一昨日の夜、とても痛い思いをした。
腎臓に石がある。10年ほど前、イラク戦争で米軍に従軍したとき、たぶんカルシウムの含まれすぎているミネラルウォーターを大量に摂取しすぎたため、腎臓に多数の小さな石ができた。

そのうちのいくつかは数センチの大きさがあって猛烈な痛みを生んだので、
当時暮らしていたシンガポールの病院で超音波手術で砕いてもらった。
それからも、数年おきに小さい石がゆっくりと成長して突然痛くなった。
前回は確か4年前だった。

昨晩、晩飯を食べて自宅に戻る途中、左の腰と背中のあいだぐらいのところに違和感を感じた。デスクワークが続いたので腰がいたいのかなと思ったが、どうもそうじゃないようだ。
嫌な予感が走った。また「あれ」が来たのではないか。

自宅に戻ると痛みは本格化して、間違いなく結石が尿道を通るときのあの痛さだと確信した。
あとはもうひたすら悶絶である。何もできることはない。
脂汗が出てくる。叫ばずにはいられない。痛み止めを飲んでもとんど効き目がないことは分かっている。別に命がどうのこうのあるとかそういうことは一切ないので、その意味では安心しているが、問題はいつ痛みが止まるかが分からないことである。

30分で終わるときもあれば、1~2時間続くときもある。
腎臓から尿道に入った結石が通り抜ける間はひたすら痛い。
悶絶しているうちに気持ち悪くなって中華を全部吐いてしまった。

痛みには波があって、やや収まったときにスマホで「結石 痛み」などで検索してみると、
結石の痛みは人間が味わうもののなかで三大激痛になるのだという。
あとの二つは陣痛と歯痛とか、いろいろ諸説あるのだが、
結石だけはどの記述でも三大のなかに入っていた。実際、本当に痛いよ。

刺すのと焼くのとつねるのを一緒にしたような痛さとでも言えばいいだろうか。
陣痛は経験したことないけど、歯痛とか小指を机の角にぶつけた痛さとかとはレベルが違う。
ついつい「もうやめて~」とか「殺して~」とか叫んでいて、頭をかきむしったり、壁をたたいたり、とにかくもがいて、それでも何にもならないところがこの結石の嫌なところだ。

小一時間ほどすると、ようやく痛みが引いてきた。うつぶせになって脱力していたらいつのまにか眠っていて明け方に目が覚めた。とにかく体がだるい・・・
痛みはまったくない。結石くんはもう流れ落ちてくれたんだろうか。それとも尿道のどこかに止まっているのか。

健康診断でなにひとつ問題がない立派な体ですとほめられたばかりだったのに。
今度、結石が暴れるのはいつだろうか。時限爆弾のようなものだ・・・

© 2021 Nojima Tsuyoshi