2013/07/26
いつもB級のことばかり書いていたので、このブログを読んでいる会社のある女性から、
最近、「野嶋さんはB級好きなんですね」と笑われてしまった。
だからというわけではないが、西麻布の名店「分とく山」で、知り合いの台湾人と食事をしてきた。
この台湾人、今度台北で高級和食店を出店するということで、参考になるお店の紹介を頼まれた。
台湾人は日本料理がとにかく好きだが、何が何でも好きというわけでもない。
微妙に好みに違いがある。例えば刺し身。刺し身は好きだけど、五種類も六種類も舟盛りで出てくると、あまり嬉しくないらしい。
それに野菜を炊いたような煮物も、なんか味が薄いから苦手だ。
いかにも100%の和食というよりは、味付けはしっかり和食だが、お店の雰囲気や盛り合わせ、料理の出し方に少し新しい雰囲気が入ったお店がいいかと思って、
「分とく山」を選んでみたが、イメージにぴったり合ったようで大変よろこんでもらった。
個人的には、「分とく山」という名前が、もともと「とく山」というお店で修行した超有名な総料理長の野崎さんがのれんわけをしてもらって自分の店を出すとき、
「分」と「とく山」がくっついた名前であることが分かって面白かった。
これは「前菜」で、右上のアナゴを湯葉でまいてしんびき粉をまぜて揚げたものが、ものすごくおいしくて、一緒にいた台湾人が一生懸命お店の板前さんに作り方を聞いていた。
これはお刺し身。カレイとイサキの刺し身。仙台のキュウリ。鹿児島のタケノコ。どれも大変おいしい。特にイサキには焼き霜がついていて、香りがよかった。
これがこの日コースで一番のヒットで、貝柱と肴のすり身に冬瓜を蒸したものをかぶぜ、追いカツオを取ったダシをゼリーにしてからめたもの。これも台湾人が大好きそうな料理だ。
最後に、総料理長の野崎さんが出て来てくれて記念撮影。
昔、野崎さんが朝日新聞で連載していた記事が面白かったことを思い出してその話を持ち出したら、本にしたものが今度、再装版で出版されるらしい。