台湾で、馬英九総統と王金平立法院長との政治闘争が深刻化している。
昨晩から今朝にかけての展開はものすごく面白かった。
今日の午前中に王金平の党籍を剝奪すかどうかの会議が開かれるが、
この24時間は将来まで語り継がれる「馬・王戦争」の最高潮になるだろう。
ちょうど台湾に来ているので、この何年に一度かの政治闘争を目撃できたのは幸運だ。

基本的には、馬英九総統が、長年の宿敵で立法院長として国会を仕切ってきた王金平の排除に動いているというものだ。
そのなかで、王金平が民進党の議員の裁判に対して、「口きき」をして上訴しないように検察幹部に働きかけたかどうかが焦点になっている。
しかし、これ自体は、馬英九サイドは「台湾の司法法治にとって最大の恥辱」とか「史上最大の口きき問題」などと過激なロジックを使っているが、現金は動いておらず、上訴しないことも必ずしも不自然とは言えないなかで、グレーゾーンにあるような問題で、筋としては決して良くない。
王金平の打倒を恐らくはずっと心の中に秘めていた馬英九が、乾坤一擲にこの機を捉えて動いたというのが、真相ではないだろうか。

昨晩から今朝にかけての動きは、まったく目が離せなかった。

昨晩午後9時、海外にいた王金平が桃園空港に帰国して記者会見を開き、
馬英九サイドの批判に対して、全面抵抗の構えを見せて、
空港には、王金平を支持する与党国民党の立法委員や地方の有力者や支持者が終結した。
その王金平の会見に、午後10時ごろ、検察総長と総統府の副秘書長が記者会見を開て、
王金平に対して反論をした。
さらに今朝午前8時半、馬英九が記者会見を開いて、王金平の会見を「失望した」と批判。
立法院長と立法委員の自主的な辞任を呼びかけばかりだ。

このあと9時半から国民党の規律委員会が開かれ、王金平の党員を剝奪するか議論する。
もし剝奪されれば、王金平は、自動的に立法院長と立法委員の立場を失う。
しかし、剝奪されないという結論が出た場合、ここまで王排除に背水の陣で望んだ馬英九は、
今後の政権運営に大きな信任の危機に直面することになるだろう。

© 2021 Nojima Tsuyoshi