2014/02/20

中華文明

蒋介石が台湾に故宮文物を運んだのが1949年。
その後、いまの台北市郊外にある台北故宮が完成したのが1965年。
その間の15年あまり、故宮の文物はどこにあったのか、あまり関心を持たれることは少ないのだが、実は、台中の霧峰という場所に保管されていた。

その敷地には、共産党の空襲に備えて防空壕のトンネルをほって文物を入れていたのだが、
最近、そのトンネルが土地開発で埋められてしまったということで、歴史学者などが騒いでいる。

2月15日の台湾の自由時報によれば、
1999年の台湾大地震で一帯は大きな被害を受けていたのだが、
数年前に土地が売りに出され、ここ数ヶ月の間に整地されてトンネルが埋められてしまった。
そのことが分かると、批判の声があがり、台中市も現場を掘り起こしてみて、トンネルが再び見つかったというニュースが流れていた。

いま歴史関係者はこのトンネルを文化財か歴史的建造物として保存するべきだという運動を始めるらしい。

何年か前にこのトンネルを見に行ったときは、地震のためにトンネルの中は土砂で埋まっている状態で、かろうじて入り口だけが残っていて、写真を取ったことを覚えている。

埋め立てに抗議している人の一人に、荘霊という人が記事の写真に映っていた。
この人は何度もインタビューした人で、父親は故宮の元副院長だった荘厳。
子供のころ、故宮文物を運ぶ船にのって家族で台湾に渡ったという生き字引のような人で、
いま故宮文物の昔の話をさせるテレビ番組にはいつもこの人が出てくる。

このトンネル、きっと史跡指定されることになるだろう。
総統の馬英九も、文化部長の龍応台も、こういう歴史ストーリーが大好きだから。

自由時報の記事
故宮當年藏寶地 重見天日

現地の映像