2014/05/10
香港の世界的女優、マギー・チャン(張曼玉)の歌手挑戦が話題になっている。
なぜかというと、あまりに歌が下手だからだ。
上海でテレサテンの名曲「甜蜜蜜」を歌っている映像を見た。
たしかにヤバい。広東人だから標準語の発音が怪しいのはいいとして、
それにしても、音が外れすぎている。私の方が絶対にうまい、とみんな思っただろう。
中国語でいえば「走音」(音がはずれる)というが、外れっぷりが音域レベルで違う。
観客から失笑が漏れ、中華圏でマギー・チャンの「走音」は大きな笑い話になった。
マギー・チャンは、女優としてはもう頂点に達してしまっていて、
恋愛や結婚でもいろいろあったけど、そろそろ新しいことに挑戦したい、という気持ちがあるのは分かる。歌手になりたいという夢があったのも、そうだろうと思う。
だいたい普通は最初、女優よりも歌手になりたいと、女の子は考えるはずだ(推測ですが)。
しかし、マギー・チャンはさすが気が強い。ステージのうえで、
「私は映画でも20作ぐらいは「花瓶(立っているだけの女優の意味)」と呼ばれた。だから歌手としても20回はチャンスを与えてほしい」
と堂々と語ったところが、マギー・チャンらしい。
いま中華圏では、マギー・チャンの歌手挑戦を是か非かという議論で大にぎわいだ。
反対論者は「我々が彼女に期待するのは歌ではなくて演技だ」ということにつきる。
一方、賛成論者は「挑戦を見守ってあげよう」という感じだ。
なかには「声はいい。あとは練習すればうまくなる」という意見もあった。
しかし、私が見たところでは、練習してどうにかなるレベルではないと思えるが、
ともかくマギー・チャンはあきらめる様子はない。
しばらくその成り行きを見守ってみたい。