2017/02/15
台湾政府の文化部が策定中の「博物館政策白書」の諮問委員に任命していただき、第一回の諮問会議に出てきました。諮問委員は6人。陳其南など文化界のベテランのみなさんに囲まれ、言いたい放題を言わせてもらって楽しかったですし、彼らの意見は大変勉強になりました。
白書の素案には、あまり故宮のことに触れていませんでした。それは台湾における文化部と独立機構である故宮の微妙な関係に起因しています。しかし、故宮はやっぱり台湾を代表する博物館なので、白書で取り上げないのはあまりにも不自然であるし、いい機会なので故宮と文化行政の関係をきっちり整理しましょうと提案してきました。年内に何度か会議を開いて白書をまとめるそうです。
台湾では一昨年に博物館法を策定し、どちらかというと、乱立気味だった博物館のありようを整理し、地域との協力など、博物館経営の新しい概念を取り込んだ文化政策を目指しています。そうした重要なプロセスに少しだけ参画できるのは光栄なことで、何よりいい勉強・取材になります。
その一環で午前中は台湾博物館で70人の博物館関係者の方々を前に、「故宮からみた台湾の博物館政策」と題して講演させていただきました。1時間も質疑応答が続いて、さすがにぐったりしました。出張完了、日本へ戻ります〜