2017/05/02

台湾映画

 いま話題の台湾映画「目撃者」を台北で見た。間違いなく、今年上半期で一番の作品である。見終わったあとに、大きなため息が出た。台湾映画、まだまだいけるじゃないかと。
 2007年に始まった台湾映画ブームはいま一つの曲がり角を迎えている。2016年にはこれといったヒット作が出なかった。「一路順風」などいい映画はあったのだけれど。2017年に入って二大ヒットメーカーともいえる魏徳聖が「52Hrz I love you」を、陳玉勲が「健忘村」をそれぞれ出したが、ヒットどころがコケてしまう結果になり、台湾映画ここまでかという悲壮感が業界にはただよっていた。
 ところが、そうした暗雲を振り払ってくれたのが、この「目撃者」だ。実際に見て感動した。ここまでの練り上げられたサイコサスペンスを二時間、隙なく最後まで見せ切った。
 ミステリーの要素もあるので、あまり内容は書けない。登場するのは、新聞記者、政治家、警察官、自動車修理工、誘拐犯たちだ。彼らは昔おきた交通事故のいずれも当事者であり、目撃者でもある。それぞれが、事故によって大きな人生の変化に巻き込まれ、そのことを隠しながら生きてきた。そのなかで、ふとした出来事をきっかけに、事故の真相が暴かれそうになり、再び、それぞれの目撃者たちが動き出す、というシナリオである。
 ふたりの女優、許瑋甯(アン・シュー)、柯佳嬿(アリス・クー)がとてもいい。この作品の面白さには普遍性があり、世界レベルの作品だと思う。日本の観客も楽しみやすいだろう。早く日本での上映を期待している。

映画の予告版(中国語)

© 2019 Nojima Tsuyoshi