2017/10/23

書評

 朝日新聞の元同僚で、金順姫さんの新書「ルポ 隠された中国」をご恵贈いただいた。

 金さんと一緒に仕事をする機会は少なかったけれど、紙面での頑張りをいつも見ていて、本を受け取って嬉しい気持ちになった。というのも、金さんは、上海支局長として、ウイグルなど中国の国内情勢で突発事件が起きた時、真っ先に一番機として駆けつける特攻隊の役割を負っていてとにかく奥地への果敢で疲れない取材姿勢に感心していた記者だった。
 こういう現場取材は、とっても大変で紙面を派手に飾ることもあるが、単なる徒労に終わることも多い。本書の新疆ウイグル自治区への取材でも、どれだけ無駄足を繰り返しながら取材対象にたどり着いていたかがわかる。その他、宗教や言論、同性愛など普段は読めない中国の姿を描いてくれている。
 取材の成果をきっちりまとめて本にする若手・中堅の記者が増えているのも素晴らしいこと。党大会で政治の話ばかりの時にあえて読みたい一冊です。

© 2019 Nojima Tsuyoshi