2018/03/08
ノンフィクションは中国語では「非虚構写作」といいます。台湾で、将来のノンフィクション作家を養成するための講座が「内容力」という出版社の主催で開かれており、受講費を払って15人の若者が毎週末に三ヶ月かけて講義を受けています。その講師として2時間半、講義させてもらいました。
日本のジャーナリズムにおけるメディアの仕事とノンフィクションの仕事がどのように違いがあり、人材がどのように育っている(あるいは育っていないのか)、そして、ノンフィクションを書くには、どのような日常とスキルが大切なのか(毎日時間を決めて書くとか、取材したらすぐに整理するとか、人にあったら聞きたい話は遠慮せずにぜんぶ聞くとか)について話をしてきました。
ノンフィクションの分野では、私もまだまだ発展途上の人間ではありますが、このように話をさせてもらうと、頭の中が整理されてすごくいい経験になりますね。特に外国語による講演の場合、日本語よりも論理的に話さないと通じないことを経験上わかっているので、準備には結構時間をかけました。
台湾は高度に政治化された社会ですので、単純にファクトを積み上げていくノンフィクションが成立しにくい土壌があると私は思っており、これまでも傑作のノンフィクションにはなかなか出会えないできましたが、こうした講座が開かれるなかで優秀な作家が育っていって欲しいと思います。