サッカーの元日本代表の岡ちゃんこと岡田武史監督が、中国のスーパーリーグ、杭州緑城の監督になったことは、日本でも岡田監督の知名度もあって、けっこう盛んに取り上げられて印象に残っていた。

ちょうど昨日(4日)、杭州のとある場所で台湾問題についての講演に招かれて久しぶりに杭州を訪れたので、地元の新聞を読んでいたら、「岡田監督、日本にチームを連れて遠征」という大きな記事があった。
すでに日本でも発表されたようだけど、日本で練習方法を学んだり、練習試合をするらしい。

それはいいんだけど、岡田監督が中国のサッカーチームの監督を引き受けたとき、本当に大丈夫なんだろうかと考えたのは私だけだろうか。中国のサッカー界はいま、八百長問題などで混乱の極みにあって、社会的にも厳しい視線が注がれているからだ。
2011年は、中国サッカーにとって最悪の年だった。6月には五輪予選で敗れ、8月には女子サッカーのW杯でも良い結果を残せなかった。11月には、2014年のW杯出場にも失敗が決まった。

中国サッカーが振るわない原因はいろいろあるが、最大の問題は、スーパーリーグのクラブチームの経営や運営が問題が多すぎて、全体のレベルアップができないでいることにあると思う。

中国のサッカー選手は、実力の割には社会的地位が高く、一挙手一投足が注目され、給料もいいので、慢心してしまっていて、真剣に練習しない、自分勝手にプレーしたりすることが多い。
審判が、チームやスポンサーの企業から賄賂をもらって有利なジャッジをしており、昨年からそのために逮捕される審判も続出している。

ともかく、中国のサッカー界全体がごたごたしているときで、タイミングがあまり良くない。
それに、杭州で聞いた話では、チームのスポンサーである緑城という会社は不動産会社で全国で大規模で派手な不動産開発を手がけているが、最近は政府のバブル抑制の政策のため、開発案件で利益を上げることに苦労していて、資金繰りも大変になっていると聞いた。
ものすごく巨大なクラブ施設が日本でも話題になったが、この手の企業はカネがあるときはばんばん出してくれるが、なくなったら何もしてくれなくなる、というタイプの感じがする。

とにかく、中国のサッカー界は魑魅魍魎の世界で、例えばチケットの半分はスポンサー企業の接待のためにばらまかれいるとか、いろいろ話を聞くにつけ、中国経験のない岡田監督に対処できるだろうかと不安になる。余計な心配かも知れないが、日本のサッカーに大事な人だけにちょっと気になる。

© 2021 Nojima Tsuyoshi