東京国立博物館で開かれていた北京故宮展は19日に終幕し、展覧会の目玉だった清明上河図はもう中国に帰ってしまいましたが、清明上河図を見逃した、もう一度見たいという人にお勧めのスポットがあります。東京・赤坂のホテルオークラ本館の真正面にある「大倉集古館」です。

 なぜなら、いま、ここでは「清明上河図」の展示をやっているのです。

$私は書きたい

 清明上河図の原作は北宋時代に張択端が描いたもので、今回、故宮から日本に貸し出されたものです。しかし、清明上河図はあまりに有名だったため、後の明や清のころに多数の模倣品が描かれ、それも一流の画家や絵師が書いたものも少なくなく、世界の美術館・博物館に50本以上が「清明上河図」というタイトルで保存されているのです。

 その一枚で、明代の仇英という画家が描いた清明上河図はかなり有名なもので、本人が書いたものかどうかは分かりませんが、日本にも何枚かその仇英版清明上河図があるのです。そのなかでも状態が良いものが、大倉集古館にある清明上河図なのです。

 現在、同館では「鼻煙壺」の特別展をやっているのですが、そのなかで関連展示として中国の美術品を展示してあり、清明上河図も出しているのです。
 その清明上河図を今週、見に行ってきました。

 くすんだ古さがいかにもという北京故宮の清明上河図に比べ、同館の清明上河図は色もきれいで、しかも描かれているのは明代の人々なのでまったく違うものと言ってよく、いってみれば「清明上河図シリーズ・明代」と言ってもいいでしょう。私は、大変いい勉強になりました。同館が収蔵する国宝の仏像などももちろん素晴らしいものです。

 清明上河図に関心のある方はぜひ。3月25日までやっています。
http://www.shukokan.org/exhibition/index.html

© 2024 Nojima Tsuyoshi