2012/02/25
「台湾ラーメン」に最近よく出会う。
でも、台湾ラーメンって何だろう。
私が知る限り、台湾人ではラーメンという食べ物はない。
ラーメンは「拉麵」が語源で、昭和初期に、在日中国人が広めたものとされている。
ただ、この拉麵、つまり小麦粉のメンを引っ張って伸ばして食べるという文化は中国大陸の西部(山西省とか)あたりが本場で、米の産地である台湾における伝統・主流のメンは、
米を使ったビーフン(米粉)になっている。
もちろん、台南にも擔仔麵という、小さなお碗に入った小麦粉のメンがあるにはあるけど、
日本にある「台湾ラーメン」が擔仔麵とは全然違う。
こんなことを考えているのも、最近、目黒の目黒通り沿いにある「台湾伝統の味 香湯ラーメン」というお店に入ったのがきっかけ。
出てきたのは、普通の醤油ラーメン。
これはこれでかなり美味しくて、久々のヒットのラーメン店だったのだけど、
どこが台湾伝統の味なのかさっぱり分からないので、マスターに「なんで?」と聞いてみた。
すると、「揚げたネギが入っているでしょ。それ、台湾から輸入しているんです」という。
確かに、台湾では、一部の麺類に揚げたネギが入る。
台湾には板條というメンがあって、きしめんのような食感で、客家料理である。
私はこの板條が大好きで、お店を見つけるとつい食べてしまう。
これが食べたくて、南部の「美濃」という客家が多い地区にも出かけていった。
そこでは、お店の前で、大きな鉄の中華鍋で、ぐつぐつネギを揚げていて、
それをメンにどっさり入れると、香りがよくって、もう最高なんだけど・・・
しかし、これを台湾ラーメンというのは、ネギだけではちょっと無理があるような気がする。
そうしたら、別のところでも台湾ラーメンに出会った。
最近名古屋に行ったとき、今池というところで食べた「味仙」の台湾ラーメン。
このお店はかなり有名で、あちこちに支店もあり、台湾ラーメンが看板メニューだそうだ。
ここの台湾ラーメンはラー油とトウガラシがいっぱい入っていて、
基本的に四川風の味付けで、ニラがけっこう入っている。
これもこれで大変美味しくて、満足したのだけど、台湾では食べない味わいだった。
いずれにせよ、ラーメン店の名称なんてかなりおおざっぱなことは分かっているし、
外国で食べる「東京ラーメン」「九州ラーメン」などが全然東京ラーメンじゃないことも多い。
それでも、日本には、果たしてほかにも台湾ラーメンはあるだろうか、ちょっと気になっている。