2012/04/08

台湾

ここ何年かの台湾映画で「泣ける映画」はどれかと聞かれたら、
この映画を私は推すと思う。

$私は書きたい

台湾きってのイケメン映画監督で俳優でもある戴立忍(レオン・ダイ)がメガホンを取った作品で、
2009年に台湾で金馬奨の作品賞やアジア太平洋映画祭のグランプリなどいつくもの賞を総なめにした。

$私は書きたい

2003年に実際に起きた話からヒントを得て制作された。
高雄が舞台で、その港湾の潜水夫として生きている父親が、妻に去られた後、
出生届を出してもいない娘を抱えながら、いろいろな困難に翻弄されて、
最後は台北の中心部の歩道橋で無理心中を図ろうとするストーリー。
生きていくことのつらさと切なさ、親子の深くて親密な愛情がじっくりと伝わってくる。

何が面白かったかというと、
親子が一緒に暮らすための行政手続きがあまりにも煩雑でたらい回しにされたり、
頼っていった国会議員は調子の良いことばかり言ってほとんど何もしてくれなかったり、
実際の台湾社会でけっこうありそうな話をちりばめているところ。

自分が一番大事な存在が奪われるとき、私たちはどうするのか。
そんなことを考えさせられる映画だ。
いわゆる商業映画ではないけど、たんなる表現だけに偏ったものではなく、
最後までわくわくしながら見ていられた。

それにしても、「貧しい父親と健気な子供」が絡むストーリーは鉄板の感動物語になる。
戴立忍は個人的には俳優業はほどほどにして、監督に専念してほしい。
そして、私が大好きな女優の桂倫鎂(クイ・ルンメイ)→

$私は書きたい$私は書きたい

とは早く別れてほしい(笑)。

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