2012/06/13

中国

あまりにもびっくりさせられる再会があった。
昨日の午後、「人民中国」という中国で発行されている日本語の雑誌の編集長が、
私の職場を訪ねてきた。編集長は普段は北京にいるのだが、日本の出版事情を視察したいということで、人民中国の東京支社を通じて会社訪問の依頼がきて、面会したのだった。

編集長は「王衆一」さん。
背が190センチぐらいと高く、体もとにかく大きい。
会うなり「どっかであったことない?」
「いいえ」
「いやあ、見覚えあるような気がするんだよな」
「そうですか?」
私のほうはまったく思い当たらなくて、なに言っているんだろう、この人って顔してたと思う。
45分ほど、いろいろ自分の仕事とか日本の出版事情としか知っていることを話して、
席を立とうとしたときも「やっぱりどっかで会っているよ」と王さんが言い出した。
これはちょっと普通ではないので、「王さん、2年前に北京のどこそこにいました?」「6年前に北京に3ヶ月長期出張したときは?」「10年前にアモイに私、留学してましたけど、そのときは?」などと過去の中国経験をどんどんつぶしていったが、一向にヒットしない。
やっぱり勘違いだよなと思って、
最後に1987年の夏、一ヶ月間、吉林省の吉林大学にホームステイならぬ大学ステイのプログラムに参加したことを思い出し、
「王さん、もしかして吉林大学日本語科の出身じゃない?」
「そうだよ、あ、あのときの夏の交流プログラムだ、思い出した、あなたの笑顔としゃべり方が特徴あったから、覚えていたんだよ!」。
ということは25年ぶりで、二人とも目を丸くして大騒ぎになった。
この王さん、とにかく記憶力が超人的にすごい人らしく、。
あの人はどうしてる?この人は?と次々と当時のプログラム参加者の名前を挙げていく。
私のほうは、1人か2人ぐらいしか思い出せない。
自慢ではないが、他人の名前と顔を本当に覚えられないので、普段から苦労しているが、
王さんのあたまはまるでデータベースのようにどんどん記憶が引き出されていった。

お互い次の予定があったので、北京での再会を約束しておわかれしたが、
学生時代に何も考えずにやっていたことがこんな風につながるなんて・・・
というか、お互い肩書きが編集長でビジネストークで偶然会うなんてね。
一生に何度もある再会じゃないので、書き残しておきたくなりました。

© 2024 Nojima Tsuyoshi