$私は書きたい

ヒットしたドラマを映画化して失敗するケースは決して珍しくはない。
以前この欄で紹介した「痞子英雄」(邦題・ブラックアンドホワイト)が、
「痞子英雄首部曲」っていう映画を去年作って、
興行成績はそこそこだったけど、やっぱり成功かというと失敗の部類に入ってしまった。

だが、この「犀利人妻」(邦題:結婚って、幸せですか)ほど、
映画化された内容がひどかったのも私の記憶にないぐらいだ。

全編ずっこけの連続で、何がひどいってとにかく全部ひどかった。
とくに脚本が。こういう脚本で演技させられる俳優さんたちもかわいそうだと思う。
溫瑞凡こと温昇豪も、謝安真こと隋棠も、すっかりドラマの輝きが失せていた。

ドラマの方は、台湾の優れたテレビドラマに与えられる「金鐘奨」を受賞したのだが、
映画の方は、駄作中の駄作に選ばれる「金蝦奨」の大賞になってしまった。
(金蝦奨は、民間のジョークのようなものだが、それでも審査員がいて本格的にやっている)
興行成績も惨憺たるもので、ドラマの威光をもってしても補えなかったのだろう。

それにしても、ドラマの映画化って難しい。
そもそもドラマのテンポや脚本と、映画のそれは違いすぎるからだ。
ドラマの成功は映画の成功にあらずは業界の常識だと思うが、
それでもヒットしたドラマを映画化して、思いのほかうまくいかずに、
ドラマの名声まで汚してしまうっていうのは、おきまりのコースですね。
でも、なぜドラマの映画化にみんな挑戦したがるのだろうか。
やっぱりドラマは映画よりも格下っていう気分があるのかも知れない。

© 2021 Nojima Tsuyoshi