2014/04/19

中華文明

先日、美術新聞社の発行人の菅原晋さんから話をうかがう機会があり、
同社や台湾の代表処の主催で「于右任」という戦前戦後に活躍した台湾の書家の回顧展が、
23日から28日まで、池袋の東京芸術劇場でまもなく開かれると知った。

于右任という人については、台湾で長く監察院長として務めたことがあり、
その名前ぐらいはどこかで聞いた記憶にあったが、ほとんど詳しくは知らなかった。
草書に長けて、「草聖」と呼ばれるほどの人で、基本的に書き手によってバラバラだった草書のスタイルを統一する「標準草書」の創設に苦心して取り組んだという。
日本では「かな」があることや日本人の好みなどから、伝統的に草書よりも楷書を重視する気風が強く、草書の広がりは中華圏に比べてそれほどではないとされ、于右任の知名度も台湾や中国のそれとは遠く及ばないことを、教えてもらった。
今回の回顧展が草書の魅力の再発見につながればいいと思う。

回顧展については、詳しくは美術新聞社の