台湾メディアのクオリティを毎年各地のメディア研究者などにアンケートを取って公表している世新大学によるメディアの「採点表」がこのほど公開された。

「報道の正確性」「公共監督の責任を果たしているか」「各方面の声にバランスを取っているか」「重要問題を深く報道しているか」「弱者に配慮しているか」「地方や地域に気を配っているか」「資料やバックグラウンドを十分に調べているか」

という七項目に分けて、5点満点で評価しており、3点以上だと「優」とされる。
もっとも興味深かったのが、中国時報への評価の低落だろう。
二項目でしか「優」に選ばれなかった。かつてのクオリティペーパーは、
中国よりの旗幟を鮮明にする旺旺グループに買収されたあと、
どうみてもあまりに一方的な報道を展開することが多くなり、「最低の新聞」になってしまった。
親民進党系の自由時報の「優」は四項目にとどまった。
「各方面の声にバランスを取っているか」「資料やバックグラウンドを十分に調べているか」などで評価が低かったのはなんとなく分かる。
意外にも高く評価されたのは「リンゴ日報」。6項目で「優」に選ばれた。
飛ばし記事が多いので「報道の正確性」はさすがに外れているが、
その他については割とよく思われている。
聯合報が七項目トップであるのはこれも少々意外だった。
確かに、いま台湾の新聞では、いちばん信頼できるプロフェッショナルな新聞が聯合報であることは、多くの関係者の一致した見方である。
同業者からみて、ニュースの処理がいちばん信頼できることは日々感じている。
一方で、論説などにあまりにも親中・親国民党的な主張が鼻につく事は確かだが、
中国時報にくらべるとずっとましに見えるのは、中国時報の左旋回の効果だろうか。

これは聯合報が自慢で書いた報道です。
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