2014/05/07
連休中、「台湾で本を売ること、作ること」という講演を聞きにいった。
名書は、谷根千の「記憶の蔵」という民家を改造した映画保存のための施設。
最寄り駅の日暮里まで、京浜東北線でうちから一本なのだが、
駅をおりてから道に迷って30分ほどさまよってようやくたどり着いた。
さすが、路地が迷路のように入り組んでいるといわれる八根千。
講演の話者は、台北で書店を経営している陳炳槮(ビンセント・チェン)さん。
聞き手は、台湾の良書を日本に次々と翻訳している聞文堂の天野健太郎さん。
台湾で本を出している身でもあり、どうやったら売れるのか、関心は当然ある。
陳さんのお話は、基本的に、本は単なる印刷物として売るのではなく、
表紙や本の形などいろいろなところにデザイン的な工夫をこらして、
一種の文化的な商品として再パッケージして読者に届けることで、
出版不況といわれる現状でもマーケットを開拓していける、ということだった。
確かに、陳さんが手がけた本をいろいろ持ってきてくれていたが、
六角形だったり、表紙に原住民の布がついていたり、絵本のように絵が飛び出してきたりと、
とにかくいろいろ個性的で、ここまで作り込むのかと驚かされた。
陳さんが経営する「田園城市」という書店兼出版社のオフィスが中山北路にあるという。
ご自身の経営理念を体現するようなかっこい書店だ。
次回台北に行ったときは必ず訪れてみたい。