台湾映画「太陽の子」の上映プロジェクトにとって、おそらく最大のイベントが近づいて参りました。時期は9月10日から19日まで。一週間あまりの期間です。私はこれを「太陽の子ウィーク」と勝手に名付けました。それぐらい、イベントを集中的に、全国的に、用意しております。そして、最大のニュースとしては、海稲米復活のために奮闘するパナイを感動的に演じた主演女優であり、歌手でもあるアロ・カリティンパチラルさんに訪日していただき、上映会では私とのトークや歌を披露していただくことになりました。

 

アロ2

来るべき「太陽の子ウィーク」では、こんな展開を予定しています

9/10 東京・杉並のまるごと台湾フェアでの上映会(詳細はこちらへ
9/11 静岡・静岡市の上映会(詳細はこちらへ
9/12 東京・虎ノ門の台湾文化センターでのアロさんとの交流会イベント「太陽と月」(詳細はこちらへ
9/13 神奈川・座間での上映会(詳細はこちらへ
9/15〜19 福岡アジア映画祭関連企画・台湾映画祭での上映(9/15 10:30、9/17 15:30 9/19 13:00の3回)
 これまで、東京で二度、山形で一度の上映会を行って参りました。そのいずれも多くの参加者に来ていただき、観賞後の感想も、大変に温かく、肯定的なものをいただいています。映画のテーマは台湾の先住民で、舞台は台湾東部の花蓮・港口という日本人が行ったことなどない場所ですが、「太陽の子」が描き出すテーマは家族、伝統、農業といった普遍的なもので、また、なんとなく日本の原風景にも通じるものがあり、日本人にも伝わりやすい映画であることがかなりの程度まで証明できたと思っております。
 当初、私はこの映画を観てたいへん感動し、日本の皆さんにも紹介したいと考えました。台湾側の製作サイドの全面的な協力をいただき、また、日本でも台湾映画同好会や台湾文化センターのサポートをいただいてきました。東京での初上映会では、台湾駐日代表の謝長廷氏や、共同監督の一人である鄭有傑さんに出席していただきました。わたしは単に「言い出しっぺ」に過ぎません。これだけの人たちのサポートがあって、初めてここまでやってこれたことだと思っています。そして、今回、7月の活動を通してこの映画に注目してくれた方々が動いてくださり、各地で上映会などを集中的にアレンジすることができました。私本人も信じられないぐらいのことで、関係者の皆さんのご協力には大変感謝しています。
 映画とは基本的に作品の寿命がとても長い表現方法です。映画館での数週間の興行が終わったことが映画の寿命の終わりではありません。わたしが、初めて台湾で鄭有傑監督に会った時、「この映画の寿命はこれで終わらないはずで、そのお手伝いがしたい」とお伝えしました。鄭監督も同じ思いを抱いていました。
 わたしが言うまでもなかったようで、その後、この上映プロジェクトをすすめている間も、「太陽の子」の台湾各地での上映会は続き、英国などの映画祭でも上映され、台湾のグラミー賞である金曲奨では主題歌の「不要放棄」がなんと過去に一度もなかった先住民言語の歌として初めての「最優秀歌曲賞」を受賞しました。
 そして、この日本での「太陽の子ウィーク」。
 ほかにもいろいろお声掛けはいただいており、今後も上映会は続けますが、今回の太陽の子ウィークを、「太陽の子」プロジェクトとしては一つのピークにしたいと思っています。場所も、東京、静岡、神奈川、福岡と場所も全国各地あちこちに渡っています。ぜひ多くの方に足を運んでいただき、「太陽の子」の世界を楽しんでいただき、この素敵な映画の寿命がもっともっと伸びるよう、一緒にお手伝いいただきたいと思っています。

© 2024 Nojima Tsuyoshi