2017/02/22

書評

 訳者の前原志保さんと白水社から、ご恵贈いただいた「蔡英文自伝 台湾初の女性総統が歩んだ道」。読み始めると、なかなか面白くて止まらない。彼女の思考方法を理解するにはもってこい。いまの退屈で面白くないほど冷静な政権運営の根底にあるものが理解できる。2012年に敗れた総統選の前に出した「洋蔥炒蛋到小英便當」の日本版。前原さん・白水社コンビで「蔡英文 新時代の台湾へ」に続く2冊目であるし、日本で出版された蔡英文の伝記タイプの本としては3冊目(カウントしませんが、幸福の科学から蔡英文守護霊ものも出ています 笑)。振り返ると、陳水扁の伝記は一冊、馬英九の伝記は0冊だったことを考えると、蔡英文という政治家に対する日本社会の関心の高さがうかがえます。

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