2019/11/12
昨日は、大阪大学の箕面キャンパスで「台湾と香港」というテーマで、講演させていただいた。このテーマ、今後いくつかの場所で喋ったり、書いたりしていくことになるので、まずはいいスタートを切らせてもらって、呼んでいただいた同大学の深尾葉子先生にとても感謝している(前夜の楽しいディナーも)。1時間半講演、1時間半質疑応答、1時間半はその後の行われたコラムニストの張豊さんの講演の通訳と、終了後は全身真っ白に疲れて、帰りの伊丹ー羽田の機内では離陸から着陸までほとんど寝ていた。自転車で100キロ走ったような感覚だ。疲れるのはやはり通訳、次に講演、質疑応答は楽しいし、楽でもある。講演のなかで、興味深く、ある意味で感慨深かったのは、6−70人の学生や外部から来てくれた聴衆の方々のなかには、たぶん10数人の中国人留学生が入っていたのだが、誰一人として質問に手をあげず、1時間半のあいだ次々と質問してくれたのは、日本と台湾の人たちばかりであった。普通、こうした場では、中国人の学生がいちばん積極的の手をあげると思い込んできたが今回は違った。一つは、香港というテーマでは相互監視の心理が働いて、何も言えなかったのだろう。とても中国人の置かれた状況を象徴している感じがした。また、香港問題は中国人に思想的な選択を突きつけている。選ぶことは、内心に背くか社会に背くかどちらかになる。だから黙っているしかないのかとも思った。