2020/02/16
昨日、加藤厚労大臣がテレ朝に生で出ていたが、響く言葉が一つもなかった。微笑を浮かべているようにも見えるこの人が「新しい局面に入った」と言っても、まったく緊張感が広がらないのはそのせい。加藤大臣は「水際対策は、水際で止めるためではなく、中国からの感染拡大を遅らせるための措置だ」と語ったのを聞いて唖然とした。これ、責任逃れのための発言としか思えない。台湾のことばかり例に出して悪いが、加藤大臣と同じ立場にある台湾の陳時中・衛生部長は、鬼ような形相で毎日会見し、時に涙を流し、自ら感染の疑いのあるクルーズ船の中に足を運び、台湾各地を回って、叱咤激励している。自分たちは未曾有の危機に瀕する「可能性」があるからだ。加藤大臣はできるだけ危機の「可能性」が低いことを訴えたいように見える。しかし、この局面は、結果的に「大山鳴動ネズミ一匹」でも、責任者はその「可能性」を叫ばなければならない時だと思う。