2023/12/31
台湾滞在中、見たかった映画の新作が公開されていたので、「老狐狸」「富都青年」「 小曉」の3つを仕事の時間を縫って鑑賞。いずれも先の金馬奨でいくつか賞を受賞している話題作である。ただ、当然だが、当たり外れがはっきりした。
「老狐狸」:★★★
近年の台湾映画のなかでは傑出した出来だった。日本にぜひ持ってきてほしい。助演、というより主演の陳慕義が素晴らしい。子役の白潤音はさすが天才子役といわれるだけの演技。とにかくエピソードが1980年代の台湾を想起させて勉強になる。
「富都青年」:★★
吳慷仁のための映画。さすが演技は確かに素晴らしかった。テーマもいい。マレーシアの地方都市を舞台としている設定もいい。たった一つ、脚本がすこし粗くて話に整合性がつかず、どうしても違和感が残った。でもいい映画ではあった。
「小曉」:★
ファンである陳意涵が出ているので見たが、娯楽作品と芸術作品の間のどっちつかずで、演出に難があり、正直後半は退屈した。陳意涵は明るく頑張るキャラだと映えるのだが、こういうシリアスな演技になると厳しい。金馬奨の最優秀主演女優賞をとった子役・林品彤の演技もそこまで感情移入できるものではなかった。