2025/05/28
万博「台湾館」訪問所感:「この島って、どこの島?」
台湾政府の事実上の出資で大阪・関西万博に出展されているパビリオン「TEC WORLD館」に行ってきました。30人ぐらいずつの組で中に入って説明を聞き、台湾の自然や歴史、テクノロジーについて説明を受けます。パビリオンの内容としてはとても面白かったです。しかし、途中からなんだかモヤモヤ、モヤモヤ。どうしても違和感が拭えない。それは、現場でのガイドさんによるすべての説明が「この島が・・・」になっていることです。
ガイドさんは「台湾」の2文字は基本的に口にしない。禁止されているのでしょう。しかし、映し出される風物や景色はすべて言うまでもなく台湾のこと。それらは「この島では・・」と説明されます。「世界で最も先進的なICチップを作っているのは?」という問いにも「この島」。この島っていったいどこの島なのか、それはあの島です、みたいな禅問答やってる感じです。
これはおそらくは台湾の運営の問題ではなく、日本側のレギュレーションの問題でしょう。日本の親台派の国会議員の先生方も台湾に行けば頼清徳らと一緒に写真をとって「日台友好」を語っているんだから、万博の台湾パビリオンを視察して「これはおかしい」と国会で質問してはどうでしょう。
ガイドさんが口頭で「台湾の半導体はすごい」とか「台湾の玉山は美しい」と説明してもたぶん中国は抗議しないでしょう。仮に抗議されても「いやいや、パビリオンは「TEC WORLD」ですから」ってさらりとかわせばいいだけ。台湾は民間出展なのでけっこう高いお金はらって出展している。それで最初から最後まで「この島」ではあまりにも制限しすぎでは。たくさん見に来ていた一緒のグループの台湾人たちになんだか申し訳なかったです。