2012/06/01

自転車

四冊目の著作で、初めて自転車について書いた本、「銀輪の巨人」が今日、東洋経済新報社から発売される。本の見本は先週届いていたけど、やっぱり発売日は嬉しい。

$私は書きたい

多くの知り合いに今度の本は「自転車がテーマです」と言うと、「え?」という顔をされる。それもそのはずで、一冊目は戦争、二冊目と三冊目は中国文化がテーマだった。でも、路線変更というわけではなく、自分にとってはもう何年も前から書きたい話だった。台湾に繰り返し通い、テーマの中心である台湾の自転車メーカー「ジャイアント」の会長に何度もインタビューした。

東洋経済の担当は山崎豪敏さん。元週刊東洋経済の編集長で、ロマンスグレーのイケメン名物編集者。2年前から構想を一緒に内容を練ってきた。山崎さんが「自転車本はデザインが大事だ」とこだわりにこだわった装丁のため、出版時期を半月ほど伸ばしたりもした。いい本になったと自負しています。山崎さん、ありがとうございました。

これがたぶん山崎さんが書いてくれたアマゾンの紹介文。自分で書くよりきっと内容が伝わってくるので、転載しておきます。


自転車メーカーとして世界最強のポジションに昇り詰めた台湾の「巨大機械工業
(ジャイアント)」――。
率いるのは世界中で関係者からキングと呼ばれる創業者・劉金標。
フレームの世界シェアをほしいままにし、世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フラ
ンス」の制覇を繰り返し、伝統の欧米市場でも急拡大する中国市場でも圧倒的存在感を示す。
そんな彼らの実態に手練れのジャーナリストが鋭く深く切りこんだ一冊。

自転車愛好家なら誰でも「GIANT」のブランド名は知っているが、それをつくっている会社の実態はほとんど知られていない。そのベールが暴かれていく爽快感の一方で、かつて世界に君臨した日本の自転車産業が、いまや決定的な空洞化に陥っている現実が戦慄を伴って描かれる。
ジャイアントの「明」と日本の「暗」は、電機や半導体など日本の基幹産業が陥りつつある危機と二重写しになって、本書を実に興味深い「産業論」としても成立させている。
誰も書いたことがない、誰も読んだことがないエピソードの数々!
自転車の魅力、爽快感を伝える美しい見開きカラー写真も満載。
自転車には関心のない人をもぐいぐい読ませる好著です。

東日本大震災のあと、日本では自転車に乗る人が増えています。
そんな現象の背後にあるものは何かを知るうえで役に立つので、
手に取って読んでもらえたら嬉しいです。

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