2012/12/23

食とエンタメ

$私は書きたい

なんの因果かしらないが、仕事の企画で東海道新幹線の駅弁を食べ比べることになった。
といっても自分からやりたいと言い出したので、それなりに一生懸命やった。
普段は乗らない新幹線こだま号に乗って名古屋まで行き、
途中駅のホームで駅弁を売っている売店に走った。
こだまの停車時間が短いときには猛ダッシュする羽目になったが、
それでもほとんどの駅で、名物と言われる駅弁を買うことができた。
せっかくだからそのうちのいくつかを紹介したい。

いちばん感動したのは、豊橋駅で買ったおいなりさんの駅弁だ。
名前は「稲荷ずし」。駅弁ファンの間では、日本一美味しいと言われるおいなりさんだ。
明治末期から豊橋駅で売りに出され、今日まで、ほとんど味が変わっていないと言われる。
ちなみに、豊橋駅の近くにある豊川稲荷は日本のいなりずしの発祥の地とされるが、
この駅弁の美味しさに関係しているかどうかはよく分からない。

とにかく外側の油揚げにしみこんだ煮汁が美味しい。油揚げがてかてか光っている。
ご飯にかなりほどよくしみこんでいて、ご飯もちゃんと硬すぎず柔らかすぎずで、
これ以上、改善点が思いつかないほど完成された味である。
しかもものすごくボリュームがある。
いま、駅弁は少量、ローカロリーが主流になっているが、
本来は長時間移動のためのお腹をいっぱいにするのが大事だった。
その点、このおいなりさんは500円という値段で、
二人分はあろうかという量を兼ね備えており、すばらしいとしか言いようがない。

© 2024 Nojima Tsuyoshi