2018/06/06

その他

長旅となる船では、いかに時間を過ごすかが問われます。何しろ電話もない。ネットは衛星電話では繋がりますが、メールとSNSが精一杯で、100分で2000円と結構通信料金も高く、通信速度も遅いのでサクサクつながらないし、あまりネットをしようという気分にもなりません。だから船内のアクティビティに時間を使います。

 

私はいつも毎朝6時から太極拳のクラスに出ていました。船の最後尾の甲板のうえに50人ぐらいが集まって、講師として乗り込んでいる人(マッサージの担当でもある)の動きにあわせて体を動かします。見よう見まねでやっているのですが、2週間続けてもまったうまくなりません。それでも、かなり準備運動なども含めて体を動かすので、朝のちょっとした運動にはぴったりなので重宝していました。

そのあとは、6時半からの朝食にいき、午前11時ぐらいまでは講演の準備やスタッフとの打ち合わせ、原稿の執筆などにあてていました。午前10時になると、いろいろなアクティビティが始まります。それぞれの趣味を生かした自主企画で人を集めている人もいます。市民カレッジの雰囲気でワクワクします。乗っている人は7割ぐらいがリタイア組みの高齢者で、といっても世界一周にチャレンジするぐらいですから基本はとても健康な人たち。かっぱつにいろいろなアクティビティに取り組んでいて頭が下がります。

お昼を食べてから、午後は自分の講演や他人の講演を聴きながら、ひと段落したら、午後5時ぐらいから麻雀を打ちに出かけます。この麻雀がおそらく船内で最も団結力が強いグループで、人気もあります。麻雀卓は8卓ぐらいあり、日本人向けの小さな麻雀牌と、台湾・中国の人向けの麻雀牌の二種類にわかれています。朝から晩まで打っている人もいるぐらいで、大人気のアクティビティで、私も学生時代は学校さぼって雀荘に通っていたので打てないわけではないので、久々に楽しんでいます。一回1時間ぐらい打たせてもらうと気分転換になります。初級者の人も上級者の人もいるので、中級者ぐらいの私は勝ったり負けたりです。基本、船内の麻雀は「賭けない、飲まない」というルールの健康麻雀なので、途中で抜けたりするのも自由です。このほか麻雀の隣には囲碁将棋も置かれていて、それぞれ好きなゲームに興じています。

 

夕方が近づいてくると、ジムにいって体を動かします。三食きっちり食べるので、体を動かさないと、新陳代謝が衰えている年齢でもあり、太ってしまうので、30分ほどランニングで汗を流すのですが、マシンが3台しかないので、かなりの競争率になってしまって、少し待たないと使うことができません。運動する気分にならないときは思いっきり読書に励みました。キンドルにかなり読みたい本を入れてきたので、特に哲学の本をたくさん読みたかったので、じっくりと時間をかけて読みました。窓なしの部屋で読むよりもデッキや船内の椅子に座って読むほうが読書に集中できました。

私の楽しみは、2日に一度ぐらい、船内銭湯「世界湯」に行くことです。大きな湯船と小さなサウナが船尾のオープンスペースにあり、半露天風呂になっています。船尾なのでどこまでも続く航跡を眺めながらの一風呂は格別なものがあります。椅子に座って本を読みながら、お風呂に入ったり、サウナに入ったりで1時間半ぐらいゆっくりしています。特に講演のあとに疲弊したときなどに最適で、だいたい夕焼けが見られる夕刻を狙って入りに行きます。ここは有料で、90分までいられて千円。安くはないけれどお釣りのくる満足が得られる場所で、来ている人たちも私を含めてリピーターが多いです。また、お風呂の隣にマッサージもあり、1時間5000円ぐらいで受けられますが、運動やっているのでそれなりにコリがほぐれているので一度しか行きませんでした。

 

© 2024 Nojima Tsuyoshi