2019/01/07

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朝日新聞の後輩だった野上祐さんが亡くなった。(訃報のリンク)天野健太郎もそうだし、2年前に亡くなった父もそうだが、すい臓がんで周囲から人が次々と消されていく感じで、すい臓がんは死界の使いのようにさえ思える。野上さんとは政治部で少し重なった時期があって、年下だけど私よりずっと冷静沈着で、書いた記事には温厚な人柄が滲んで不思議な説得力があった。会社では会えば立ち話するぐらいの間柄だったが、がんになってからの闘病コラム「書かずに死ねるか」はよく読んでいた。記者やジャーナリストという仕事は、特に資格試験があるわけではなく、誰でも自由に名乗れる職業だ。逆に、本であれ記事であれコラムであり、現在進行形で書いていないと誰もこの仕事の土俵には乗れない。1年書かないと確実に筆は錆び付く。野上さんは最後の一瞬まで病床で書き続けた。最後までプレーヤーでであろうとした。そのことは、断筆となった最後のコラム(https://dot.asahi.com/dot/2018122700157.html)を読むと痛いほど伝わってくる。心から尊敬したい。ご冥福をお祈りします。

 

 

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